メッセージ message

地震以降、頻繁に益城町を訪ねると、被災地の本音など僕らの中につきささる言葉がたくさんありました。

「がんばれ、がんばれ、言ったってね、あんたたちは俺達のなんば助けてくれるとや」「60年近く益城町に住んで、今、俺ん家は仮設住宅ばい。俺はどこで死ぬとかと思うと、どぎゃんして生きていけばよかかわからんよ」

それでもみんな【熊本で生きていく】と言うんです。それが何なのか、そのような気持ちにどうしてなるのか、非常識かもしれませんが僕は益城町で撮影をしなければいけないと思ったんです。

重要なのは、震災後それでも日常は続いているということ。前作に登場したお店が地震によって移転していたのですが、地震があって変わったけんよかったと前向きな言葉をもらえた時、マイナスだけじゃない捉え方があり、未来に向け進もうと思う気持ちがない交ぜになっているんだと感じました。

熊本の人たちが今どんな気持ちで被災地にいるのか、僕が見て聞いた個人的な言葉、胸をしめつける言葉たちが映画「うつくしいひと サバ?」の中には入っています。

震災を経験した熊本の人たちにはこみ上げるものがあると思いますし、そうじゃない東京スタッフも編集で涙を流しました。この映画を県民の方、全国の方にみてもらいたいです。

行定 勲